メイサちゃんがうちに来て一週間が経った。

今日は仲良しのHちゃんを家に呼んで、うち飲み新年会だった。


メイサちゃんは相変わらずまったく慣れてくれない。
強いて言えば、タオルにくるんで抱っこしてたのが、素手で抱っこできるようになったくらいで、
それはメイサちゃんの変化というより、私が慣れたと言う方が正しいのかもしれない。


なぜなら相変わらず近づけば
「シャーーーー!フーーーーッ!」と威嚇され、
抱っこし損なうようなことがあろうものなら噛みついて抵抗してくる。


今日はHちゃんの手前、油断してうっかり逃げられてしまい、
捕まえる時にまた右人差し指と中指を噛まれてしまった・・・





Hちゃんとはなんでも言い合える希少な友達だと認識していたが、
時に「なんでも言い合える」というのは、
お互いの誤解を招いたり、お互いを傷つけたりすることにもなる。

そんなことは今までに何度かあった。


今日酔っ払い具合が佳境になった時、会話がまずい方向に傾いて、
危うく喧嘩別れになりそうになった。
このまま喧嘩別れになることなど、
私もHちゃんも望んでいるはずもなく、
なんとか持ち直してHちゃんを駅まで送りとどけることができた、、、、
できたけど、、、


お互い大人なんだから、もしどうしてもダメだと思えば付き合いを続けるのはあきらめればいい。
Hちゃんと私は合わないのかもしれない、
一緒にいるのはお互いのためにならないかもしれない。

どうしたものか・・・・




さっきメイサちゃんに噛まれた人差し指がやけにズキズキと痛む。


メイサちゃんを家猫にするのはあきらめるべきか。
もう一週間も経っているというのに。
でもメイサちゃんも縁あってうちに来たのだ。
もしかしたらいつか劇的に変わるかもしれない。

Hちゃんとの友達付き合いを考える私と、
メイサちゃんの家猫修行を考える私が、
なぜか今日は重なって、
結論を言えば、

「もう少しがんばってみよう」

という答えになることは決まっていたのだ。



恐れないで

貴女に合わせるから

なぜなら貴女が好きだから



DSCF3425.jpg


メイメイは相変わらずこわい。
噛まれた指がズキズキと痛む。


2011/1/2
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2009年11月20日

なぜ日にちまではっきりと覚えているかと言うと、
毎月20日が駅ビルの「ワンコインデー」で、ワンコインでお昼が食べられるため、
その日は駅ビルでひとりランチをしていた。

そこに隣りの奥さんから電話があり、衝撃のひとことを告げられる。


「お宅の家の前に箱に入れて猫が捨てられている」




ついに来たか。

猫の保護活動をしていることが近所で有名になれば、
そのうちそんなこともあるかもしれないと思っていた。
けれど私の家は人通りの多い街中にあり、家の前とは公共の道路である。
いつ置いたのだろう、ずいぶん無理矢理なことをしたものだ。

私は隣の奥さんに、派出所に電話をして来てもらうようにお願いをすると、
嫌な気分でランチの残りをたいらげた。



はじめお巡りさんは、家の敷地内に捨てられたのならこちらに言わずに保健所に言ってくれというようなことを言って来てくれなかったが、

冗談じゃない、動物の遺棄は立派な犯罪だ
そこを見逃してどうする、

私は「家の敷地内でなく公共の道路に置いてある」と強調し、
どうにかこうにかお巡りさんに家まで来てもらった。

箱は閉じられていて、ウンもスンも言わない、本当に猫が入っているのだろうか、、、、


ただ家の前にメモが貼ってあり、

「猫持ってきたぞ」と書いてあった。



「あ・・・それ・・・」

その筆跡は、、、
今までなんどとなく何者かが家に手紙を貼り付けていった手紙の字と同じだった。

その手紙にはいつも、
「どこどこに猫がいて困っている」
「どこどこの誰それは猫に餌だけやっている」
というようなことが書かれていて、
家のガラス窓に貼られていたり、ポストに投げ入れられていたりしたのだ。

今まで一切無視していたが、なにかの手がかりになるかもしれないと思い捨てずに持っていた手紙をお巡りさんに見せた。
何度読んでも意味不明な手紙だった。

一時


私はその猫を交番で預かってもらうようにお願いをした。
公共の道路に捨てられていたとなると、当然そういうことになる。

いや・・・その猫を私が引き取ることもできなくはなかった。
しかしそれでは猫を持ってきた男の思うつぼだ、
更にはまた違う猫を連れてくるかもしれない。
その男の本当のもくろみがどういうことなのかさっぱりわからなかったが、
私はこういう卑劣なことは絶対許せなかったのだ


交番に連れて行かれれば、それは次に指導センターへ持ち込まれることになる。

そして指導センターに連れて行かれるといことはほぼ「処分」されることを意味するのだった。





私は急いで家の中からパウチのフードを持って来て、
お巡りさんに「お腹がすいていると思うからこれを食べさせて下さい」と手渡した。

そしてそう言いながら、しゃくりあげるように泣いていた。

心優しい隣りの奥さんは、私とお巡りさんとのやりとりをひたすら黙って見ていて、
私のとなりで涙をぬぐっていた。




2009/11/20


私は箱の中の猫を絶対に見ないようにしていた。
なぜなら見ればそんな残酷な決断はできなかっただろうから・・・・



お巡りさんの話では、箱の中の猫は大人のおとなしいトラ猫だと言っていた。
どこぞの公園で、おとなしいがゆえに、そんなへんなヤツに捕まってしまったのだろう。

そうやって捕えられた猫が、私の知らないところで指導センターに持ち込まれることなどいくらでもある。
その猫とて同じだ。
そんな理屈を頭の中で組み立てていた。
その卑劣な男の執拗な手口を断ち切るために、その猫を犠牲にするしかないと思ったのだ。


しかし・・・やはり理屈では片付けられない・・・
そんなことをしたら、恐らく一生後悔に苛まれることになるだろう・・・


私は頭の中をフル稼働させ、考えたあげくやなぎさんに電話をかけて相談してみた。

やなぎさんに今までの経緯を話すと、やなぎさんはなんの躊躇もなく、

「じゃあ僕がその子を預かるよ」

と言ってくれたのだった・・・・・・。




実際やなぎさんが猫を引き取ってくれたのは、指導センターに行ってからだったので、
結局私はその猫を見ないままでいた。

それよりも私にはやらなければならないことがあった。
事件の再発を防ぐために、猫を置かれた家の前に張り紙を作った。



 ~ここに猫を置いていった方へ~


動物を遺棄することは犯罪です。

あなたがしたことは犯罪なんです。

あの猫はもうここにいません。

あの猫がどうなったか知っていますか?

知りたかったら○○交番へ行って聞いてください。

今後も一切ここに情報を持ってきてもこちらでは何もしません。

そういうことは○○市動物指導センターへ持ち込んでください。



動物指導センター ×××-××××
○○交番 △△線を西に向かって徒歩3分

 




その人は絶対にまた家の前に来るに。
その猫がどうなったか確認に来るに決まっている。

だから脅かしてやるのがいちばんなのだ。
仮に交番に確認に行けば、交番では「処分された」と言うだろう。
もしそういう人がいたら、犯人に間違いないとお巡りさんには言っておいた。


そしてその後、あやしい手紙の存在は私の前からパタッと姿を消したのだった。





私は猫を預かってくれたことで、やなぎさんに感謝しきれなかった。
やなぎさんは隣町に住んでいるので、私はいずれその子に会いに行くと約束し、
「名前も私につけさせてくれ」と頼んでおいた。

お巡りさんは「トラ猫」と言っていたが、やなぎさんの話では「サビの老猫」だということだった。
とてもおとなしい猫で、やなぎさんのところの他の猫たちともなんの問題もなくやっていると言われ、
心の底から安心していた。
その時私のところにはやはりサビ猫のいっちゃん(現在ふくちゃん)がいた。

「いっちゃんと同じ柄かぁ」

私はその子に会うのを心待ちにしていたが、なんやかやと出かけられずに時間が過ぎてしまった。




ある日、会社に電話があった。やなぎさんからだった。


や「あ、けむさん、例のあのサビだけどね」

私「あ~~~すみませんやなぎさん、今週末行こうと思っていたところで・・・」

や「いや、あの子死んだんだよ。」

私「えっ!?


あまりの突然のことに驚いて言葉が続かなかった。
やなぎさんの話しによるとその日の朝、自然死のように亡くなっていたというのだ。


や「今ね、市の焼却場に来ているんだけど、大丈夫、僕らがちゃんと供養しておくから安心して。」

私「・・・・・・・・・・・・・・」

私は仕事中で、すぐに焼却場へ行きたくとも無理だった。



や「それよりも不思議なことに、この猫死後硬直しないんだよ。」

私「(!)そんなことあるんですか?本当に死んでるんですか?」

や「ちゃんとお医者さんに診てもらっているから本当だよ。いや僕らも初めてだよ、
  死後硬直しない猫なんて。








結局私はついぞその猫に会えず終いになってしまった。


それにしても家の前に置かれてわずか20日ほどで死ぬなんて・・・
本当にその子の寿命だったのだろうか。
だとしたらどこぞの野良でいたところをそのへんな男に連れてこられ、
最後の数日をやなぎさんのうちでのんびり過ごせたのなら、、、
それはそれでよかったのかもしれないが。


死後硬直しなかった猫--------
もしかしたら私を試すために神様が送ってよこした猫だったのかもしれない。

だとしたら私のその時の決断を、神様はどう受け取っただろうか。


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2009/12








2008年11月

しろちゃん(現在名こじろう)が、カスミ荘のママのところでバイトをしていた大学生の女の子にもらわれて、彼女の彼氏の家で飼われることのなったことは過去に書いた。

そのバイトの女の子~しほちゃん(仮名)も、猫が大好きだった。
私の猫のバイブル書は大島弓子の「綿の国星」であり、「グーグーだって猫である」だったが、
しほちゃんのバイブルは町田康の「猫にかまけて」だと言っていた。

しほちゃんは実家はなんと滋賀県で、
実家で飼う猫はカスミ荘のママのところからもらうと決めているのだと言っていた。




年が明けて2009年、餌やりのMおばさんからまたしてもヘルプの電話が来た。
捕獲器に子猫が入ったらしい。

「それがものっすごくいい黒猫で、尻尾も長くて本当にきれいなんです。
 里親さん見つからないかしら~?

Mおばさんの「里親さん見つからないかしら~?」は、この頃の得意の台詞になっていた。



聞けばオス猫だと言うし、私は気が進まなかったが仕方なくその黒猫を保護することにした。
私にとって初めての黒猫だった。

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その猫は全身混じり毛のない黒で、おばさんがいうように尻尾もすっと長く、
褐色でまんまるの目のきれいな黒猫だった。
ただこの子、猫のくせに高い所に飛び乗りそこなったり、
何もないところでたびたびコケたりして、

「お、お、おい・・・へ、平気か?」

と言いたくなるような鈍臭い猫だった。


でも真っ黒い猫というの不思議な生き物だった。
まるで存在が影のようで、生きているものが動いたのか影が動いたのかわからないようだった。
でも、、だから黒猫は神秘的なのだろう。
黒猫が好きで、黒猫しか飼わない人がいるようだが、
なんとなくその気持ちがわかるような気がした。
黒猫と一緒にいると、自分にもなにか人と違う能力が宿ってくるような気になるのだ。


そして結局はこの黒猫を、しほちゃんが実家の猫としてもらってくれたのだった。
その時里親探しが行き詰っていて、しほちゃんには半分頼むようにしてもらってもらったのだった。



それにしてもクロちゃん(仮名)は実にお金のかかる子だった。
ある日クロちゃんのワクチン接種に行って来た時のこと、
ワクチンから帰ってきてしばらくするとクロちゃんがダラダラとよだれを垂らし始めた。




私はびっくりして再び病院へ連れて行くと、クロちゃんはそのまま入院になってしまった。

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この時まだ人慣れの最中だったので、入院させることにより人慣れも進むと考えて、
しばらく病院に預かってもらうことにした。
病院での費用は多少まけてもらったとしてもそれなりにかかったし、
しかもその後、涙目と鼻水がなかなかとまらず、
点眼点鼻薬を随分長いこと続けることとなったのだ。

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クロちゃんはその春、しほちゃんの卒業と同時に滋賀の実家に連れられて行った。


しほちゃんには実家に妹さんがいて、クロちゃんに「はなお」という素敵な名前をつけてくれた。
はなおの涙目はなかなか完治することなく、私はしほちゃん宛てに目薬を何度も送ったのだった。





しほちゃんが時々はなおの様子を知らせるメールを送ってくれたので、
しほちゃん姉妹がそれはそれははなおをかわいがってくれているのがよくわかった。
そして去年はしほちゃんの妹さんから年賀状が届いた。


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「保護してくれてありがとう」




それを見て私は思わず泣いてしまった。

いいや違う、保護したのは猫おばさんだ。

私は嫌々預かっただけなんだ。
 
いつもいつも、私は仕方なく預かってきただけなんだ。



現場にいる人がいちばんえらい。
保護してくれる人がいちばん愛のある人だ。
私はただそんな人のお手伝いをしているだけなのだ。



そしてその子と接してみればわかる、
どんな子でも他の子と違うその子らしさを持っていることを。
唯一無二の命であることを。



はなおはしほちゃん宅でも相変わらず鈍臭く、
家族をハラハラさせながらも癒しの猫となっている。


2009/3/31








はなお まだ子猫っぽさが残るはなお

はなお ミシンの陰に隠れて


はなお


はなお






はなおがしほちゃんの家に行って、しばらくしたら送られてきた写メ。
画像が小さくて残念だが、切り絵の中に入り込んでしまったかのようなはなおの写真。

滋賀では行きつけのお医者様に「しっぽが長くてきれいな猫」だと言われたと言っていた。
私もお気に入りの1枚。

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2009/4/4

ターニャの里親さんからお電話をいただいた。


避妊手術の予約をしようと思い病院へ電話をしたけど、
「ワクチン打ってあったかしら?」ということだった。


えええ~~~~???
えーっともういろんな猫が混ざっちゃって覚えてないぞ。

「ワクチンの証明書、お渡ししませんでしたっけ~?」

「ええ、いただいてないです」

おっかしいなぁ~手帳を見る。


・・・・・・・
ターニャはワクチン2回済んでいる。証明書も渡してあるはずだ。


里親さんに説明すると「ああ~そうでしたかすみません」と一件落着。


ターニャが写真屋さんの老夫婦にもらわれたのが10月半ば、
あれからもう3ヶ月経ったのだなぁ。

譲渡の1ヶ月後に母と様子を見に行った時は、すでによそ者となった私達の訪問に逃げ回っていたターニャ。


コピー機の裏に隠れてしまったターニャ


1ヶ月経ったその時も「まだこの部屋(居間)から出してないんです」と言っていたので、
ちょっとばかし心配していた。

しかし今日里親様の奥さんにお話しを聞いて安心した。



も~~~かわいいですよ。
やんちゃさんで甘えんぼさんで。
私のあとをどこに行くにもついて来るんです。
トイレに入ればドアの外で鳴いてるし、
うちはお風呂が大きくて、半分蓋をしているんですが、
お風呂の時はいつも蓋の上に乗っているんです。



そうだと思った。
ターニャはそういう猫だと思った。
かわいがってもらっていて本当によかった。本当に嬉しい。


お風呂の一件を聞いて思い出したことがある。



内田百けん(うちだひゃっけん)という作家が「ノラや」という本を書いている。
その本を私は未読だが、内田百けんがかわいがっていた「ノラ」という猫が行方不明になり、
悲しみにくれた作者がその猫への思慕を綴った小説だ。

そのノラちゃんも、百けん先生がお風呂に入る時は、
いつも風呂の蓋に座っていたという。

のらや



結局ノラちゃんは失踪後百けん先生のもとに帰ってくることはなかった。
百けん先生はそれはそれは悲しみ、風呂に入ると思い出すからと、
毎晩の習慣だった大好きな風呂にも入らなくなったという。





保護活動にかかわっていると悲しい事件に遭遇することがある。
悲しい事件のショックの方がものすごく大きくて、
嬉しいことは本当にわずかばかりだが、
そのわずかばかりがどんなに嬉しいか。
どんなに救われるか。


わざわざ目のふさがった子を選んでくれた里親さまに、
ターニャも愛情のご恩返しをしてくれているかと思うと嬉しくてたまらない。

ターニャは避妊手術の時に目の手術も同時にしてもらう予定だ。




2010/1/15






先週、例のメイサちゃんを一旦カスミ荘のママの元に戻し、違う猫を預かってきた。


長毛黒猫のロンちゃん。


2011/1/10

それというのもママのところにはあと3匹の子猫がいて、
すべて野良化している、まるで慣れていない子達だった。

それがロシアンブルー風グレーの子猫と、短毛黒猫と、長毛黒猫。

グレーの子がグレちゃん、黒猫で短毛の方がタンちゃん、
黒猫で長毛なのをロン毛のロンちゃんとママが呼んでいた。


年末にバレエの友人がもらってくれたマリちゃん(現在マコちゃん)は、
メイサちゃんと同じまんまるの顔で毛並みがそっくりなことから、おそらくメイサちゃんと姉妹だ。

そしてメイサちゃん以外のグレー・黒・黒が兄弟だと思われる。
みごとに皆逃げる、触れない、攻撃的で、

ママも「全員猫小屋決定」などと言っていた。



そうは言ってもメイサちゃんの人馴れに挑戦しようとしていた私だったが、
ロンちゃんの結膜炎がひどくて、ママが「恐くて目薬をさせない」と言うので、
治療が先だと思い、メイサちゃんと交換してロンちゃんを預かったのだった。



ところがこのロンちゃん、

メイサちゃんより恐いじゃん



目薬をつけるには抱っこしないとならない。
まずゲージの中で捕まえるまでが一苦労。
逃げ回る猫を隅で追いつめ、バスタオルで覆うようにして慎重に捕まえる。
焦ると猫にも恐怖感が伝わってしまう。
ゲージから出すとタオルでぐるぐる巻きにして、両腕が出ないようガッチリ捕まえる。
相手も渾身の力で抵抗してくるので、ここで油断してはいけない、
大惨事になってしまうからだ。(私が)


次に目やにで目の周りがガチガチになっているため、それを拭いてあげる。
毎回まぶたがくっついて開かないほど、ひどい状態だ。


2011/1/10


そこで熱いお湯でおしぼりを湿らせ、目を覆って目やにをふやかし、
きれいに拭いてあげてから目薬をさすようにした。

ロンちゃんは両手がふさがっているので、この時は噛み付きで応戦。
恐いのなんのって。

ロンちゃんの口にティッシュを噛ませながら目薬を射すという荒業を覚えた。



噛み付かれる恐怖から、
「ママ~~、ロンちゃんも馴らすの無理かもしれない~~~」
と弱気な報告をしていた。


それでも目を治してあげなければどうしようもないし。




それにしても目薬がまったく効いてくれないぞ。
風邪じゃなければ目薬なんてあっという間に効くのに。
目薬はメイサちゃんにつけていたものと同じもので、
メイサちゃんはすぐにきれいになったんだけどなぁ。

・・・・・・・目薬変えた方がいいかもしれない。

しかし医者に行くのがまた大変なことだった。
キャリーに入れたはいいが、キャリーから出すことができないんじゃないか?
とりあえず1週間この目薬を差し続け、
効果が見られなかったら医者に連れて行こうと決めた。




もしこの子が外にいたとしたら、目のふさがった子猫の出来上がりだ。

それを思えばマシだった。
たとえ人馴れしなくても、治療してあげられることが救いである。






「田川陽子バレエアカデミー」

名古屋市東区泉
http://www.tagawa-ballet.net/index.html


入会金なしビジター料金3,150円
チケット11枚つづり31,500円あり。(6ヶ月有効)

バレエ中級 レベル★★★★☆ 

地下鉄久屋大通駅を出てすぐ、アクセスは最高。
床はリノリウム、音楽はCDだがスタジオにピアノも置いてある。
生徒さんの年代は30代~50代でなじみやすい。
それほど難しくはないが、物足りなさもなく、先生の教え方もいい。
アクセスもいいので継続してレッスンを受けたいところだが、
なにしろビジター料金が高い。
中級クラスのあとのポワントクラスを受けると3,150円×2(泣)
月に何度も行けるのなら入会するのがお得。
月謝は比較的安いと思う。


病院に行ってきた。

ロンちゃんは相変わらず毎日黄緑色のねっとりした涙をためていた。

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キャリーからだせるだろうか、と心配していたが病院でもそういう子は慣れたものだった。
バスタオルで蚕のようにぐるぐる巻きにされて体重測定をし(検温は無理)、
その後バスタオルから顔だけ出して目も診てもらった。
おかげで男の子か女の子かもわからなかった(見れなかった)のが女の子だということも判明した。

今まで使っていた目薬(眼軟膏)を見せると違う目薬を出してくれて、
「これで試してみてください」と言われた。



果たして。



その目薬で、あっという間にロンちゃんの目はきれいになったのだった。

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しかも驚いたことに、病院へ行った次の日くらいから、ロンちゃんは以前ほど恐くなくなった。
ゲージごしに近づくと相変わらず「シャーッ!」と言うのだが、
ゲージから出す時の抵抗の仕方が以前と違ってそれほど必死ではない。
いつものタオルを見せると、いやいやながらも「シカタナイナー」といった様子で捕まってくれる。
抱っこして頭を撫でるとすかさず噛み付いてきたのが、
なんと甘噛みに変わったのだ!



そうなるとこっちも調子に乗ってくる。

そのまま猫が好きな首筋を撫でてやってると、ナント!

ロンちゃんが、ゴロゴロと喉を鳴らしたのだ~~~

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「ロンロン、おりこうになったね~~~




猫小屋じゃなくて普通のおうちにいけるかもしれない!



2ヶ月かかっても3ヶ月かかってもいいや

わからないけど可能性があるぞ!




毎日目薬をささなければならないという状況が、
逆に功をなしたのかもしれない。
熱いおしぼりで顔を拭いてもらうのだって、きっと気持ちよかったのだろう。
この人間は、自分にとって危険な人間じゃないってことをわかってくれたのだ。

ロンちゃんは今まで私がいるとご飯も食べなかった。
今では私がじっと見ている前でご飯を食べてくれる。
少しずつ少しずつそうやって慣らしていけばいいんだ。



ロンちゃんの目はきれいなエメラルドグリーンだった。

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仲間のあっこちゃんが毎日餌やりをしている近所のM公園。

去年、そこの公園が設備の老朽化や、地震の時の一時避難場所として見直しがされたことを理由に、リニューアルの計画があることを知った。

それに伴い、新しい公園を作るための「ワークショップ」が、市の公園設備課の主催で行われた。
近隣住人が集まって、どんな公園にしたいか意見を出し合って、
新しい公園の計画案とするのだ。



M公園には20匹ほどのホームレスの猫達が暮らしている。



公園のリニューアルとなると、その話し合いの中で、当然猫達への不満も出るだろう、
一斉駆除などという話が出たら大変だ、

ワークショップは自由参加で、興味のある人は誰でも参加していいことになっていた。
私はすぐにあっこちゃんにそのことを知らせ、
ふたりでワークショップに参加していたのだった。

そうすればその時、市の公園設備課の人と面識もできる、
猫達にとって最悪の状態にならないよう根回しもするようにした。


しかし、予算が下りるのは2年後の話しで、
とりあえずあとはその時に考えよう、とあっこちゃんと話していたのだった。


それが去年の今頃のこと。





ところが市の予算が下りるのが一年早まり、
来週から少しずつリニューアルの工事が行われることになったと、あっこちゃんから連絡を受けた。


「工事現場は囲われて、人が出入りできないようになるので、その前に猫ハウスを移動したい」


そうあっこちゃんから相談され、現場が囲われる前日の夜、あっこちゃんと一緒に猫ハウスを移動した。

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M公園は、去年の冬、ピョン吉とテンちゃんとチャムの3匹を連れだした公園だ。


背の低いつつじの木が茂った中に、猫ハウスは点在している。
今回工事対象となったエリアから、4個の猫ハウスを動かし、別の茂みの中へ隠した。
猫達は自分のハウスをわかって一緒に動いてくれるだろうか。

私は普段公園の猫のお世話はしていないので、その日初めて猫ハウスを見たのだった。
発泡スチロールに出入り口の小窓をつけ、周りを黒いビニール袋で覆ってある。
中には毛布やフリースを敷いてある。
更にあっこちゃん達は、冬の寒さがきつい時にはそのフリースの下にホッカイロまで詰めてあげている。


なんと手のかかる作業だろう。


今はこうして少しずつ猫ハウスを移動していけばなんとかなるけれど、
公園がすべてリニューアルされたら、この子達はどこで暮らすのだろう。
新しい公園は、防災上周りからはすべて見通しをよくして、
低い木も取り払い、スカスカな造りになる予定だ。

そうなったら猫ハウスを隠して置く場所などなくなってしまうだろう・・・





近くのベンチでどこかのじいさんが、誰もいないのにひとりで大声をあげて怒鳴っていた。

「いつもいる酔っ払いだから気にしなくていいですよ」とあっこちゃんが私に声をかけてくれた。
・・・気にするなといわれても、夜の公園にあんなのがいたら恐い。

あっこちゃん、毎日こんなことしているなんて・・・えらいなぁ・・・






翌々日、公園の前を通ると、私達がハウスを動かしたそのエリアはキッチリと白い壁に囲われて、
まったく中に入れない状態になっていた。


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猫達は移動した猫ハウスへとちゃんと入っているらしい。
とりあえず、よかった。。。




あっこちゃん達の餌やりの仕事はいつまで続くのだろう、
新しく猫が増えさえしなければ、いつか終わりの来る仕事なのに、
絶えず猫が捨てられたり、迷い込んできたりしている。


そしていずれ猫達に行き場がなくなった時どうすればいいのか、
今はどうすることも出来ないし、その先も靄(もや)に包まれたように見えない。
ただぼんやりとした不安に襲われるばかりだった。



2011/1/20



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