ケンくんの家に集まるのは強引に私の都合に合わせてもらった。

近々バレエの公演があるため、現在週末の夜はすべてその舞台稽古に充てられている。
そこで稽古のない日の夜を選んで皆に集合してもらったのだ。
(それでも現地集合20時半)



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さぁ家は申し分ない、ここを貸してもらえるのならどんなにありがたいか、
あとは家を借りるにあたっての条件やら費用やらを、
大家さんであるケンくんと、3人のボランティアさんと相談すること侃々諤々。


そこでなんとケンくんは、家を無償で貸すと言ってくれたのだった。


エっ!


慌てたのは私の方だった。
私がこんな悪条件の話をケンくんに紹介したのも、
ケンくんに対しても多少メリットがあればと思ったからだった。
つまりどんなにわずかでもケンくんへと家賃収入が入れば、お互いがメリットを享受できるだろうと。



そこでの話しはそれだけでなく、
家を追い出される張本人のおじいさんをどうするか、


猫の管理ができないのだからもう猫とは引き離すべきだ、

いやおじいさんに一緒にいてもらわないと無人の家に猫だけ置いては心配だし世話が大変だ、


そんなことまで相談しあうので議論が終わらない。


「ま、ま、今日は遅いのであとは連絡をとりあうということで


と、私が無理矢理その場をまとめて帰ることにした。
現実にもう夜の10時になろうとしていたし、
ケンくんも勢いで言ってしまったかもしれない、もっと落ち着いて話し合うべきだと思ったのだ。



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家を出ると、深夜の住宅街に子猫の鳴き声が聞こえる。


それはあきらかにこれから借りようとするケンくんの家の真向かいにある、
ブロック塀で囲まれた家の庭から聞こえていた。




・・・・・・・・・

「子猫がいるよね・・・絶対この中にいるよね!???」


ブロック塀の下のほうには、小さなイチョウの葉をかたどった飾り穴が空いていた。
その穴のひとつから、子猫の鳴き声は聞こえて来る。

ボランティアをやっている人間が3人もいて、皆確認するのを躊躇している。
私は思い切って、声が聞こえるイチョウ型の穴に手を突っ込んでみた。
グリグリと手をひねっていると、私の二の腕まで穴を通っていってくれた、
そこで肘から手を下に向けると、ちょうどその掌に子猫の感触を掴まえた。


「いる~~~~~」 

 

「出していいの~~~?(泣)」


「だって出すしかないでしょ。そのままそこにおいて置けないでしょ?」
(と先輩に言われる)



掴んだその物体を引きずり出すと、、、、




それはまさにエチカさんのところで見たのとまったく同じ大きさの猫の乳児だった。


「へその緒ついてる~~~~~」


子猫の体温は冷たくなりかけていた。

すぐに行きつけの病院に連れて行きたかったが、時間はもう10時を回っていた。
電話をしても病院はでない・・・普段は遅くまでスタッフがいるのに・・・。



「あたためないとダメだね」と言って先輩が子猫をふところに入れた。
1台の車で順番に家を回って帰ったのだが、車中なぜか子猫は私が世話をするという話に・・・


「じゃけむさん、子猫をよろしく。」

と、手渡される。


「わ・・・・わたし・・???」 



わ、わたしは今日はただ・・・・

おうちを案内するために来ただけなんだけど・・・・




なぜ~~~~~




110711 005


2011/7/6
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