先日職場の店長さんから相談を受けた。


お店の従業員のお兄さんのことだった。


そこの従業員の男の子~Kくん~のお兄さん夫婦が転勤になり、
次に引っ越すところがペット不可で、
今飼っている猫の里親さんを探しているのだがなかなか見つからなくて困っている、
相談に乗って欲しい、ということだった。



本当なら猫を連れてペット可住宅を探すのが普通だろうが、
会社によっては決まった社宅に入らなければならない場合もある、、、


私「知り合いの中で飼ってくれる人を探しても見つかりませんよ」


K「何度も新聞広告にも出しているんですが見つからないんです」



・・・・(ああ、ちゃんとしかるべき方法で探してるんだなぁ)


普段お世話になっている店長さんからの頼みでは無下にもできなかった。
里親探しのお手伝いならできる、それならとその猫の情報を聞き出し、
頭の中ではすでに(あの79歳のおばあさんに聞いてみようかな)と思い描いていた。
里親さん候補がいないわけではなかった。


それにつけてもとにかく一度本人(猫)に会ってみないとならない。
Kくんにはお兄さんの家に行く算段をつけて欲しいとお願いし、
お兄さんからの連絡を待っていた。



ところがしばらく経っても、Kくんのお兄さんからはさっぱり連絡が来ない。

お兄さんの転勤期限は今月いっぱいと言っていたしなぁ・・・

私はひとり焦って再度Kくんに催促の連絡を入れた。
Kくん自身もてっきりお兄さんから連絡がいっているものだと思っていたようだった。
やがてKくんからこう返事が来た。


「兄と連絡取ったところ、転勤先に連れていくそうです。

 相談に乗ってもらったのにすみませんでした。」






・・・私がどんなに安堵したかは言うまでもない。



      




思えば私もペット不可のアパートに猫と一緒に6年間暮らしていた。

そのアパートの庭で拾った子猫がケムリであり、
一度は里親さんを探したものの(情が移って)返してもらい、
それからはひたすら大家さんに内緒で猫を飼い続けた。



子供の頃「世の中ってなんて生きにくいんだろう」と思っていた。

家は裕福でなかったし、欲しいものは手に入らない、やりたいこともできない、
束縛と命令されることばかりで、学校に行くのもつまらなかった。

でも大人になったら(=働きはじめたら)そういったことすべてから解放されて、
私は「大人ってすばらしい」と感じていた。



しかし猫を拾った途端、

たかが猫を飼うだけのことで世間から非難される立場に立たされてしまったことに、私はショックを受けていた。

それは大人になって、お金も稼いで、自分でなんでもできると思っていたときに、
世の中には自分ではどうにもならないことがあるのだということがわかった瞬間だった。
それが悲しくてたまらなかったのだ。




当時私が住んでいたのはかなり年季の入ったレトロなアパートで、
そのおかげか、まぁ空室もあったせいで、
やがて猫を飼うことは大家さん公認になっていった。

しかし「堂々と猫と一緒に暮らしたい」という気持ちが、
次の家を見つける原動力になり、
ついに今の家を手に入れることができたのだった。

ま、そんな今の家も充分レトロだけどね。




誰にも文句を言われず猫を飼える家、

昼休みに職場からすぐに帰ることができる家、


私は今の家に満足していた。






当時私はケムリによくこう話していたっけ。


「ケム、ここのおうちいいね~ このおうち素敵だね~

 にゃあちゃん達のおかげだよ

 にゃあちゃん達のおかげでこのおうちが見つかったんだよ

 ありがとねーケム」





kemuri.jpg



Kくんのお兄さん夫婦も、きっと乗り越えてくれるはず。


世の中にはどうにもならないこともあるけれど、

方法はきっとある、がんばればきっとなんとかなる。



2012/1/23
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