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4匹は医者からもらった「インターフェロン入り目薬」というのを点眼点鼻してやると、みるみる回復していった。
その代わり朝・昼・晩・寝る前と4匹代わる代わる目薬をさすのが一苦労で。
鼻黒を先に、次は白、次は黒いの、と柄を目安に毎回頭の中をフル回転させた。

そしてこの子達の募集も、今回はさすがに新聞の力を借りた。
以前も新聞に掲載したことがあって、その時は1本も電話がなく、
お金をドブに捨てた気分になってコリゴリしたのだったが、そんなことも言ってられない。
写真を載せず、最低行数で納まるように。
電話がなくとも2週連続して掲載しよう。


案の定、1回目はなんの反応もなかったのが、2回目の時4件ほど電話をもらった。
余りの反応の良さに驚きと同時に嬉しい悲鳴だった。
最初に来てくれたのが小さい女の子を連れた若いおかあさんで、自分の母親と一緒に子猫を見に来た。
4匹の中でシャム系の「リョウちゃん」を選んでくれた。

治療前のリョウちゃん
1104 012

目がぱっちりするとブルーの瞳がきれいなシャム系の美猫に。




リョウちゃんは4匹の中ではいちばん飄々としたなつっこい子で、
知らないうちに私の膝に乗ってくるようなかわいい子だった。

よくよく聞くとその親子はつい最近買ったばかりの子猫が1週間で死んでしまったというお宅だった
たまにイベント会場のようなところで開催される「ペット博」。
そこで「マンチカン」の子猫を見たのがそもそもで、その後どうしても欲しくて激安価格(7万円)で買ったということだった。
しかしその子猫というのが家に来た時からおとなしく下痢もしている。
しかし「環境が変わると下痢をする場合もある」と言われしばらく様子をみていたらしいのだが、
あれよあれよという間に弱って亡くなったというのだ。


なんということ・・・かわいそうなマンチカンの子猫・・・

たぶん劣悪なブリーダーのところから来たに違いない。

なんのために産まれて来たのか・・・そんな子猫を買った人間の方だってかわいそうだ。
家に来て、たった1週間で別れをしなければならなかったなんて、、、、
そのあまりの悲しみにすぐに他の猫を求めたというわけだった。

世の中にいつまでもはびこっている、「金づる」だけのために犬猫を繁殖させ、
売ってしまえばそれで終わりという悪徳ブリーダー。
どんな育てられ方をしたのか、そしてその母猫は、母犬はどんな環境にいるのか、
そんな不合理な話を聞くたびに怒りが込み上げるがどうにもならない。

早く法律が変わってほしい、展示動物や販売業者へのルールの改正。
最終的にはペットの展示販売などなくなればいいのに・・・
私はペットショップが嫌いだ・・・ましてペット博なんて・・・。



お試しをするや、それはそれは気に入ってもらい、すぐに決定のお電話をいただいた。
リョウちゃんはそんな母子を癒すには最適な優しい甘えん坊な猫だった。
「いい子をもらったね」と娘さんと話しているとメールを何度もくれた。
リョウちゃんが悲しみの底にあった母娘の心を癒してくれていると思うと私も嬉しかった。

リョウちゃんの新しい名前は「サム」。
おかあさん、もしかしてパチンコ好きとか・・・(考えすぎ?)



 
リョウちゃん(現在の名前:サムくん)



2009.11

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