過日行われた「町の野良猫問題解決セミナー」


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静岡市では現在、増え続ける野良猫問題の苦情に対して、新しい条例を作るためのガイドライン作成を検討している。
ここにくるまでは、今までなかなか具体的に動こうとしなかった市に対して、私達ボランティアグループが署名を集め、市議会に持ち込み、議員さん達の全会一致の採決を得て、市と獣医師会とボランティアの3者共同で「連絡会」を設け、ガイドラインを作るための会議をスタートさせるという道のりがあった。

同時に市が募集した「パイロット事業」に「地域猫活動」を提案・応募したところ採用され、
今回のセミナーは、そのパイロット事業のひとつとして企画したものだった。


セミナーには東京都新宿区のNPO法人「ねこだすけ」の代表・工藤久美子氏に来静していただき、講演をしていただいたのだった。



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工藤さんの講演はすばらしかった。

なにしろ18年前、
まだ「地域猫」という言葉も、「TNR」という言葉も何もなかった頃から、
たったひとりで野良猫問題に向き合ってきて、
いまや東京都全体を指導するような立場にあるNPOの代表の方だ、

そのお話には説得力があり、笑いとともにぐいぐいと話しに引まれてしまい、
私の中で今まで悶々としていたことも工藤さんがすべて払拭してくれた。




まだやなぎさんとたったふたりで猫の活動をしていた時―――


私はいつも思っていた。

個人がちまちまこんなことをやっていても野良猫や捨て猫は減っていかない、
行政を動かさなければダメだ、
私は行政を動かすことをしていくんだ、と。

でもどうしたらいいのか、
結局ただ悶々としているだけだった。


それが段々と同じ活動をする人達と知り合い、
仲間となって「会」を立ち上げ、
今こんなずばらしいセミナーを開催する主催者側に立っている。
(私は諸先輩方にくっついているだけですが)


それが嬉しくて嬉しくて、
講演の内容の素晴らしさも相俟って、
講演のあいだじゅう感極まってしまっていた。






工藤さんのお話しの中で私が最も印象に残ったことが、


「餌やりはやめさせられない」


ということ。



私は昔からずっと餌やりさんのヘルプをしていたから、
(やなぎさんが餌やりさんだった)
餌やりさんの苦労や悲しみをよく聞かされていた。

「猫に餌をあげるな」

餌やりさんは猫嫌いの住人にそう言われて必ずトラブルを起こす。



「野良猫に餌をあげるな」という言葉は猫嫌いの人が言うだけでなく、
それはやがて社会の常識のようになっていた。

心優しい普通の人は、お腹をすかせた猫と、
その社会の常識らしきものの間に挟まって苦しむのが常だった。


なぜ餌をあげる人がコソコソして、
餌をやるなという人が威張っているのか、
なぜ餌をあげるなという人が正義になってしまうのか、


私はずっとそこが疑問だったのだ。


でも工藤さんは、

「お腹がすいた猫がいたら餌をあげるのは当たりまえの行為、

 古今東西それをやめさせることは絶対にできません、
 
 餌をあげていいんです」


と言ってくれたのだ。
そしてそれと並行して活動をすればいいだけだと。
(つまり避妊去勢・糞の始末・地域への理解の呼びかけ)


工藤さんは「餌やりは活動と言いません、当り前のことだから」ともおっしゃっていた。



「町の野良猫問題解決セミナー」という名の講演だったので、
私はなるべく町内会長さんや、実際野良猫問題を抱える普通のお宅の人達に聞いて欲しいと思っていた。

でもこのお話しを私は多くの「餌やりさん」に聞いてもらいたかった。
ああ、もっとお誘いすればよかった。
たくさんの餌やりさんを。


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工藤さんのお話しを聞いていたら、
この国の野良猫もいつかはゼロになるかもしれない、、、、と
そんな気すら湧いてくるのだった。


そうしたら今いる海やふたやミカ、
デビちゃんだって、
貴重な飼い猫候補になるに違いない。




野良猫がゼロになるのは不可能なことじゃない、

いつかそんな日もくる、

・・・・・・

やればできることなんだと、

身体の中に勇気と希望の泉が滾々と溢れてくるそんな一日だった。






2012/9/29
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コメント

  1. 坂ち | 27ET4VhU

    有意義な、勇気や希望を貰えた
    セミナー?講演会?だったんですね?

    聞きたかったなぁ、そう言われると。
    そんな気持ちになる、今回のケムさんのブログでした、、、、、

    ( 08:50 [Edit] )

  2. はじめまして

    ブログは拝見させていただいておりましたが、コメントは初です。

    今から13年前、東京の地域ネコちゃんの里親にならせていただきました。
    東京から浜松近郊の我が家まで、渋滞している東名高速で片道6時間掛けて連れて来てくださったのが「工藤さん」でした。
    とっても暖かい人柄で、初めてお会いした気がしませんでした。
    そのネコちゃんも昨年、慢性腎不全で亡くなりました。

    とても懐かしかったので、コメントさせていただきました。

    これからもお邪魔させていただきますね。

    ( 15:24 )

  3. けむ | -

    Re: 坂ちさん

    工藤さんのお話し、笑いの要素満載で、
    ワクワクしてたくさん笑って元気になるセミナーでした。
    いつもコメントありがとうございます!

    ( 21:11 )

  4. けむ | -

    Re: だるこさん

    はじめまして!
    だるこさんは工藤さんとそんな繋がりがあったのですね!
    貴重なお話し聞かせていただき嬉しいです。
    だるこさんのにゃんこちゃんも工藤さんに助けられ、だるこさんに助けられ、
    天寿を全うできて本当によかったです。
    また遊びに来て下さい、読み逃げ大歓迎です。

    ( 21:14 )

  5. かめ | v5.i7xGY

    無責任な餌やり

    2軒隣の家人が餌やりをしており、数匹の猫が寄り付きいつの間にか子供も増え猫屋敷状態となり昼夜問わず猫がウロウロしています。

    ある日の朝、幼稚園児の息子が大切に庭で飼っていたカメが、首の無い惨殺状態でころがっていました。
    第一発見者の息子はショックで数日泣き続け、それ以来猫を恨んでいます。

    餌をやる=責任(避妊、家から外へ出さない、外で悪さをしたら謝罪や賠償をする)をもった飼い主になる、なら理解できますが、そうで無ければ無責任な餌やりは近所迷惑です。

    腹の減った猫に餌をやるという優しい気持ちもわかりますが、近所ではこのような被害を受けていることを知ってもらいたくて書き込みさせていただきました。

    ( 16:52 [Edit] )

  6. けむ | -

    Re: かめさん

    コメントありがとうございます。
    息子さんのかわいがっていた亀くんの不幸、お気の毒でした。
    手術をしないで餌やりだけしていては、猫はますます増えて行きます。
    私はそれが心配でなりません・・・

    ところでかめさん、ひとつ腑に落ちないことがあります。
    (長文になったらすみません)
    亀というものは外敵から身を守るため、手足首を甲羅の中に引っ込める生き物だと思います。
    猫が襲いたくても、仮にそれがライオンであろうと、甲羅の中に入ってしまえばどうにもできないはずです。
    それに猫というのはたとえネズミを取ってきても、ネズミを食べたりしません。
    亀の首を食いちぎるなど、猫の習性からしても、亀の状態からしても、考えられないことです。
    そんなことができる動物は人間くらいなものです、、、
    それは最近の出来事でしょうか、
    私はかめさんのご近所に小動物を殺戮する人間がいることの方が心配になります。
    大きなお世話かもしれませんが、注意して周りを観察していただきたいと思います。

    猫の餌やりについては、少し説明が足りないところがありましたので、
    ブログ内でもう少し説明させていただきたいと思います。

    ( 13:16 )

  7. かめ | GCA3nAmE

    No title

    カメの死体の周りには猫の足跡が多数ありました。
    10年ほど前の出来事です、幸いにもその後人間による猟奇事件は起きていません。
    お気使いありがとうございます。
    このような事があったという事実だけでも知ってもらえれば幸いです。

    ( 09:58 [Edit] )

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