自宅の近くの野良ちゃんを保護してくれているタカラさんが、新たな子猫を保護したのが10月3日。

その子猫はタカラさんがいつも行く土手近くの道の真ん中で動けなくなっていたという。



その時の様子を「まるで骨の標本に皮がついているような状態」と言っていた。
その上医者に連れて行くと獣医さんから、

「よくこれで生きていたなぁ、治療はもう少し体力がついてから考えましょう」

と言われ目薬をさしただけだったというから、
獣医さんもなかばあきらめたのかもしれなかったのだろう。



でもそれからその子はタカラさんのお世話でみるみる元気になり、しかも驚くほど人懐こい子だったため、
「是非次回の譲渡会に出してほしい」とお願いされていた。



10月下旬、たまたまはなの目の治療で行った動物病院でタカラさんにばったり会った。

「今日はワクチンにきました」

と嬉しそうに言っていた。
来月の譲渡会に出すためのワクチン接種だった。



その時病院の待合室で私はその子の写真を撮らせてもらった。


なんとこの子が本当に骨の標本に皮がついていたような子だったのか?
見違えるほど元気になって、そしてなんて愛らしい!
この子ならきっとすぐにでも里子に行ける!
――――そう思ったのだった。




ten1.jpg

顔に点々模様があるので「テンちゃん」という名前をつけてもらった。





ところが11月の譲渡会が近づくと「体調が悪いため今度の譲渡会は欠席する」と連絡があった。

実はワクチン接種後ずっと調子が悪く、微熱、食欲不振が続き、、、
その後検査の結果、テンちゃんは「ヘモプラズマ感染症」と診断された。



私には初めて聞く病気の名前だった、、、どんな病気なのか、どんな治療をするのか、
よくわからなかったけど「不治の病」ではなかったため、タカラさんは一生懸命治療にあたった。

何度か「もうだめかもしれない」という日があったという、
それでも一縷の望みを抱いて、タカラさんはあきらめることをしなかった。






結局、テンちゃんは12月の譲渡会も参加できる状態にはならなかった。


先日の譲渡会の日、タカラさんはご夫婦で譲渡会会場へ遊びに来てくれた。
どんなふうに譲渡会をやっているのか見たかったのだろう、、
私は逆に譲渡会の帰りにタカラさんの家へ立ち寄ることにしていた、
貸してあった捕獲器を取りに行くためだった。

その時テンちゃんに会わせてもらったのだが、、、、以前私が見たテンちゃんとは比べものにならない、痩せて小さくなったテンちゃんがいた。



131215-16.jpg



果たしてこんな状態でまだ治る見込みがあるのだろうか、、、写真を撮ったあと背中に目を移すと背骨がくっきりと浮き上がっていて、、、胸が痛くなるような状態だった。


テンちゃんの隣りには先住猫のきんちゃんというオス猫がいた。
オスなのに最初からテンちゃんにおっぱいを吸わせて、テンちゃんをそれはよく面倒みてくれているということだった。
テンちゃんも具合が悪いからこそ、きんちゃんの傍にいることで安心していたのかもしれない。

「薬のせいで目がよく見えないんです」とタカラさんが言った。
目はもう白くなっていて、と説明されたが、
私にはきれいな澄んだ目をしているように見えた。




その夜、タカラさんからメールが来た。

「さっきテンが逝きました」と。




なんと、私は亡くなる数時間前のテンちゃんに会ってきたのか・・・



かわいそうなテンちゃん・・・

生まれたあと生きるか死ぬかの思いをして、やっとタカラさんに助けられて元気になったのもつかの間、また病気になってそのまま死んでしまったなんて。
わずかな生涯で苦しい思いをした時間の方が長かったなんて・・・

そしてその子を一生懸命生かそうとがんばったタカラさんもかわいそうだった。
タカラさんは自分を責めていた、無理な治療がテンちゃんの苦しみを長引かせてしまったのではないかと。

それは病気を子の治療をしてきた人間が必ず思うことだった。



もしタカラさんがテンちゃんを見つけられずにそのまま飢え死にしていたら、
テンちゃんはもっとかわいそうだった、
そんな子猫はごまんといる、愛情を知らずに死んでいく子なんていくらでもいる、
タカラさんがこんなに愛情を注いでくれたならテンちゃんは次にもっと幸せに産まれ変われるだろう、
私はアニマルコミュニケーターの方によくそう聞かされていた―――


私が言えるのはそれくらいのこと・・・私に慰める術などなかった。




2013/12/15
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コメント

  1. 坂ち | 27ET4VhU

    人間の勝手な思いだけど、この2ヶ月あまりは
    美味しいご飯も食べれて、雨風や外敵からも
    安心していられたのでは?と。
    運悪く病気になってしまったんです。
    だから、タカラさん思い悩まないで下さいね。
    これからは、タカラさんを守ってくれると
    思いますよ。
    てんちゃん、今度は長生きしてね。

    ( 07:45 [Edit] )

  2. モネねえ | -

    No title

    けむさん
    こんばんは
    悲しいお知らせですね
    やりきれない思いが伝わってきます。

    テンちゃん、タカラさんに見つけてもらって
    愛情をかけてもらってきっと幸せだったと思います。

    たったほんの短い間でも、自分に一生懸命注いでくれた
    タカラさんからの愛情と思い出を持って
    天国へ旅立ったに違いありません

    タカラさんの悲しみが癒えますように
    そしてテンちゃんのご冥福をお祈りしています。

    ( 17:10 )

  3. momo | 5R/KLcws

    No title

    人間からしてみれば 短い猫生
    けれど てんちゃんはとっても幸せだったと きっと思っている

    タカラさんに出会えたこと 助けてもらえたこと
    いっぱいいっぱい愛してもらえたこと
    いっぱいいっぱい甘えられたこと
    きんちゃんというおかあさんみたいなおにいちゃんができたこと
    病院というところに行ったこと
    そこで 色々な人や猫に会ったこと
    けむさんにあったこと

    きっと 今頃 虹の橋のむこうで お友達に得意げに自慢話しているよ

    タカラさん本当にありがとうございます
    てんちゃんのご冥福お祈り申し上げます

    ( 23:22 [Edit] )

  4. けむ | xzfXrOoo

    ありがとうございます。

    坂ちさん、
    モネねえさん、
    momoさん

    ありがとうございます。コメント読みながらジーーンとしちゃいます。
    タカラさんにも見せてあげたいです、、そしてテンちゃんも、
    皆さんが言うように幸せだったと、確かに幸せだったと、
    そう考えるようにしないとダメですね。
    テンちゃんはきっとタカラさんと、タカラさんのおうちの猫達とずっと一緒にいますよね。

    ( 02:34 [Edit] )

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