紹介いただいた方は50代の男性で、高齢のお母さんを介護されている。
1日2回ヘルパーさんが来て、そのヘルパーさんからは「猫は1匹にして下さい」と言われているらしい。
なぜなら日中留守宅でヘルパーさんが猫の様子を見張るには、1匹が限度とのことだった。



市街地から離れた、川を上っていった道沿いのお宅だった。

その日はたまたま介護のお母さんがステイ(お泊り)の日で、その男性ひとりだった。
ふたり暮らしには充分な、田舎の広いおうちだったのだが、

「男やもめなもので・・・」

と照れながら招き入れてもらった家の中は、あちこち乱雑に散らかっていた。


「ヘルパーさんから掃除をしろと怒られています。」

と申し訳なさそうに男性が言った。


この家は子猫には格好の隠れ家だらけだ。
ここで子猫を離したら、どこに隠れたかわからなくなってしまうなぁ。

お母さんの布団を敷いてある隣りの部屋が仏壇のある小部屋になったいた。
私達はとりあえずその部屋を締め切り、そこでまずマオちゃんを抱っこしてもらった。
その人は壊れもののようにマオちゃんを抱いて、
おとなしく手の中にいるマオちゃんを見ると「こりゃあいい猫だなぁ~」と唸った。


0712 004 0722 004 マオちゃん


(さぁここからが勝負だ)

この子達は兄弟で仲良くて、でも野良ちゃんから生まれた子で、家がないんです。
どうか2匹一緒に飼っていただけないですか、お願いします!


と頭を下げると、

「実は2匹飼うのが夢だった、2匹いただいてもいいんですか」

と、あっさり承知してくれた。


その男性~名前を「完太郎さん」としよう~は、自信たっぷりに、
自分は絶対猫と仲良くできる、どうかまかせて下さい、と私に言った。
今までかわいがっていた猫がよほどいい子だったらしい。
しかしその猫を家の前の道路で事故で死なせてしまったわけで、
私はくれぐれも「猫を外に出さないでください」とお願いした。


こういう田舎のおうちでは、場合によっては完全室内飼いにそこまで神経質にならなくてもいいかもしれない。
そこのおうちも、家の裏側はのどかな川原だった。
でも玄関に面した道路は、夜もトラックがばんばん通る国道になっていた。

「猫を家に閉じ込めてかわいそうじゃないですか?」

と完太郎さんは真剣な目で私に問いかけてきた。


「かわいそうじゃないです。ここのお家はこんなに広いじゃないですか。
 猫にはこのおうちの中が天国になるんです。大丈夫です。」



その後私達はいろんな話しをした。
猫の飼い方、しつけのこと、今まで飼った猫のこと、猫の性格・・・
そこそこ猫への知識と愛情のかけ方に自信を持っていた完太郎さんは、
そのたびに「ほぉ~」とか「はぁ~」とか言っていたが、
この人が猫を大事にしてくれるということは、私には充分通じた。

間違いない、いい人だ、よかった!


そのうちマオちゃんもナルちゃんもどこかへ隠れてしまい、
(仏壇の部屋は奥に襖がありそこが開いていた
私達は2匹を家中捜索したが、それは他にも散らかった部屋をいちいち確認することになってしまった。

私は完太郎さんに言った。


「おうちの中もきれいにしてくださいね。今度私が来る時に片づけを手伝いますから!」


私はこういう家の片付けは得意で、なぜかやる気がムラムラと沸いてくるのだ。



0621 014 ナルちゃん


完太郎さんは独身だ。
こんなに猫好きのやさしい男性が独り身だなんてもったいないなぁ。
この人に奥様をお世話してあげたいほどだ。←おせっかい?
猫仲間でちょうどいい相手がいなかっただろうか?


完太郎さんは、今日私のためにわざわざ買ってきてくれたのだろう、
お茶請けにケーキを出してくれた。
完太郎さんにケーキは似合わなかったけれど、その不器用さが嬉しかった。
ケーキと一緒に出た飲み物は、コップに入った白っぽい水。

(これなんだろう?)

恐る恐る飲んだら、それはポカリスェットだった。。。




2010.7.6

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コメント

  1. りんご | -

    お疲れ様です

    ケムさん、こんにちは。
    cookpadでお世話になっている、カリフォルニアのりんごです。

    いつも、このブログを楽しく読んでいます。
    けむさんは子猫のボランティアは大変なのに、
    ブログの更新が楽しみというのは、私って自分勝手でしょうか(^_^;)ははは・・・
    子猫ちゃん2匹とも、優しそうな飼い主さんが見つかって良かったですね。
    ぜひ、室内飼いにして欲しいですね♬
    猫にとって家の中が天国になる!まさに、そう思いました。
    家の中が自分の縄張り。危険もなくて、安心して猫はリラックスできるんですよね。それに最初から完全室内飼いだと外にも出たがらない。

    マオちゃんと、ナルちゃんが幸せになりますように♡

    ( 03:50 )

  2. けむ | xzfXrOoo

    りんごさん!

    りんごちゃん、ご訪問ありがとう!
    それからいつもブログを読んでくれているとのこと、重ねてありがとう☆
    そうです、うちのオージ(11歳)もすっかり家の中の猫になり、抱っこして外に出ようものなら恐怖で鳴き続けるという・・・^_^;
    どんな狭いお家でも猫にとっては安心安全な場所になるんですよね。
    続きのタネ明かししちゃうので内容には触れないけれど(笑)、ナルちゃんマオちゃんの応援もありがとうございます!

    ( 15:32 [Edit] )

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