5月の終わり、続々と子猫が保護されていた時、
タカラさんが引き取ったのは町内のあるお宅で2匹の母猫が時間差で産んでしまった子猫たち。


2匹の母猫はそれぞれ5匹ずつ産んだので、その時は一度に10匹もの子猫が来ることになっていた。
(幸い母猫も子猫も家の中で保護されていた)



慌てて名前もつけた。



サスケ



ドット



グレー



この子何だっけ・・・



・・・名前思い出せない




マメ



ララ



ちょうど子猫待ちをしていた里親希望者様も続々といたので、
私はその母猫の避妊手術のために車を走らせ、タカラさんは子猫達のお見合いを一手に引き受け、
子猫の里親は次々と決まっていった。



時期を同じくして町内の別の場所からキジトラの兄弟(オス2、メス1)を保護したが、その子達は外で捕獲したため人馴れが出来ていなかった。
その3匹はしばらくの間ケージに入れてタカラさんが面倒を見た。





里親さんが決まった子猫も先方の都合ですぐにはもらわれない子もいる、
私はというとちょうどみやびを捕獲して、みやびが皮膚疥癬だったため他の子を預かれなくて、
預かりを申し出てくれた方の協力でどうにかなったが、タカラさんのおうちは子猫の保育園状態だった






やがてあとから保護したキジ兄弟も譲渡会に出れるまでになり、そのうちの1匹を気に入ってくれたご家族様にもう1匹をオススメすると、2匹一緒に飼ってもらえることになった。
オスのシンちゃんとメスのネネちゃんを選んでもらった。




シンちゃん


ネネちゃん





小学生の男の子2人いるご家族様で、家族4人で譲渡会に来ていた。
猫は初めてのお宅だった。



猫が初めてということもあり、そのご家族様~Tさんへのお届けには私も同行することにした。


休日の朝10時の約束をしてお宅に着くと、家の中からご家族全員が出てきた・・・と思いきや、子供たちとお母さんは今から出かけると言う。子供さんのサッカーの送迎でお母さんも付き添いだと。



えっ・・・



やむなく私達は、ひとり残されたご主人に注意事項やらの何やらの説明をすることになった。





Tさん宅で


シンちゃんはオドオドしてタオルにもぐってしまった。
ネネちゃんは好奇心旺盛な様子で比較的落ち着いていた。
こういう時、やっぱり2匹一緒だと安心する。




子供達も含め、家族全員にお話しを聞いて欲しかったのに。
なんだか不安な気持ちが押し寄せる・・・・ゆいいつ嬉しかったのは子供達が段ボールで作った猫ハウスがあったこと
私はタカラさんにその後のフォローをよくするように頼んだ。



しかしタカラさんからは芳しい報告が来なかった。
タカラさんは奥さんとメールでやりとりしていたが、奥さんからは子供達がトイレの掃除をしっかりやっている、とか、目薬はうまく出来ている、とか、報告は毎日しなくてはいけないのか、とかいう内容で、

猫をもらってよかった、とか、かわいいとか、そういう言葉がひとつも出てこない

と、私に不満を漏らした。




私はタカラさんにこう言った。
「Tさんからシンちゃんとネネちゃんを返してもらってもいいんですよ」


猫を虐待してるわけでも、間違った飼い方をしているわけでもなんでもない、
でも、私は保護主さんの感情がいちばん優先されると思っている、
苦労して保護して、病院に連れて行って悪いところは治療して、一生懸命手をかけて慣らして、、、保護主さんがいなかったら存在しなかったかもしれない命。

保護主が「あげたくない」と思ったらあげなくていいんだ、


と私は思っている。




ただ、




Tさんに返してもらったら子供達がさぞ悲しがるだろうなぁと。



Tさんのおうちにはトライアルを長めに設定してあった。
万が一返してもらう場合は猶予は長く取っておいた方がいいからだ。
タカラさんがずっともやもやしているので、1週間過ぎた頃、私はタカラさんにもう一度家庭訪問をすることを提案した。
今度こそ家族全員がおうちにいる時に。




家族全員がいるのは平日の夜だった。
両親とも共働きで、子供達は家に帰ると2軒隣のおじいちゃんの家でお母さんが帰るまで過ごすのだという。
子猫が来てからはおじいちゃんが子供達の家に来るようになった。
その日はそのおじいちゃんも一緒に私達を迎えてくれた。



家におじゃまするとすぐにネネちゃんの元気いっぱいに飛び回る姿を見ることができた。
お届けした日におどおどしていたシンちゃんも、最初はソファの下に潜り込んでいたが、ほどなく顔を見せてネネちゃんと一緒に遊び出した。

奥さんが「子猫と遊ぶのに夢中で子供達が勉強をしなくて困る」と言うので、

私がすかさず下の男の子に「お勉強しないと猫返してもらおうかな~」と言うと、


彼はあわてて学校のドリルを開いて読み始めた。(笑)


目薬が終わってしまったと聞いていたが、もう点眼はしなくても大丈夫そうだ、
おじいちゃんから「喉がゼイゼイ言うのが心配だ」と言われたが、それはゼイゼイではなく「ゴロゴロ」だった。
猫初めての人は猫のゴロゴロを知らないのだなぁ~
あれは歓喜の声だ。
おじいちゃんにそれを教えられただけでも家庭訪問してよかったと思えた。



奥さんは仕事から帰ったばかりなのか、、まだ制服を着ていた。
そうか―――
奥さんから「猫がかわいい」という言葉を聞けないのは、奥さんが忙し過ぎるからだろう。
時間は夜の7時半を回っていた。
子供達は夕飯は済んでいるが、奥さんもちょうど帰ってきたご主人もまだなのだろう、
私達の訪問に家のことにも手をつけずに落ち着かない様子に見えた。




シンちゃんもネネちゃんもストレスなく元気にやっている、
私はタカラさんに目で合図して、その日は帰ることにした。


キッチンとリビングの間にはご主人の手作りのメッシュのドアが作りつけられていた。




こんなに素敵な爪とぎも。






帰りの車の中でタカラさんは安堵の気持ちを吐露していた。
「今日はTさんのおうちに来れて良かった」と。
私ももう「返してもらったら」とは言わなかった。




それから更に10日ほど経って、
タカラさんから「シンちゃんネネちゃんは正式譲渡になりました」と連絡が来た。


「2匹とも元気ですし子供達が夢中みたいです、

奥さんの言葉が柔らかくなって嬉しかった



と。





奥さんはまだ本当の猫の良さを知らないのだろう、
奥さんもいつかゆっくり猫達を膝に抱いてくつろげる日がくる、
その時猫の歓喜の声を聞けるに違いない、
その声に癒されて心がほどけていくに違いない、
その時きっと猫が愛おしいと思えるだろう







2016/6/25 シンちゃんネネちゃんお届け  7/16正式譲渡
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コメント

  1. ふぶき | -

    名前なんだっけ、がリアルで子猫の多さを物語ってます(笑)
    お家が決まる子が多くて良かった〜
    けむさんの言う通りですね。
    保護主さんの気持ちが優先されていい、納得できなかったらあげなくていい。
    その子たちに一番愛情と手をかけてるのは保護主さんだし、一番猫にぴったりのお家がわかるのも保護主さんでは。
    でも子猫がのびのびしてるお家はいいお家ですね。子猫がいろいろ事件を起こして家族の思い出が増えると思います(笑)

    ( 03:00 )

  2. けむ | -

    Re: ふぶきさんち

    そーなんですよ、名前も模様(ドット)や色(グレー)でつけたり、ずいぶん雑でしたが、どの子がどの里親さんに決まったかわかるようにとりあえずつけないとと思いまして(^^;;
    タカラさんはお疲れ様でした、写真は目もくしゃくしゃでしたが皆んな綺麗になりました。色々あってまだ3匹残ってますけどね、きっと全部決まります。

    ( 23:10 )

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